大人の発達障害(ASDやADHD)について
昔から人付き合いや対人関係で悩むことが多かった、人の気持ちを想像することが難しい、計画通りに仕事を進めることができない、ミスが多い、転職を繰り返している、などの悩みを抱えてこられた方がいらっしゃるかと思います。最近は発達障害について広く知られるようになり、ご自身で調べたりご家族や職場の人から指摘を受けて、「発達障害ではないか」との疑問をお持ちになり心療内科や精神科などに相談をされる方がいらっしゃいます。
診断を受けることのメリットとしては今までうまくいかなかったことの理由がわかるようになったり、自分の特性を理解し得意なところを活かしながら不得手なところについて対策を立てやすくなります。また一般就労で就労の継続が困難であった方は精神障害者手帳を申請し就労移行支援事業所の利用や障害者枠の就労に挑戦するという選択肢もあります。
診察の流れ
- STEP1初診時の診察
受診の理由を確認
なぜ受診をしようと思ったのかについて話を伺います。
生育歴の確認
発達障害の診断では生育歴が非常に重要です。可能であれば養育された方の同伴をお願いします。その他、母子手帳や通知表なども参考になります。
現病歴や現症の確認
現在の困りごとや現在の精神状態について話を伺います。一度の診察では聴取できないため複数回の通院で問診を実施します。
- STEP2心理検査の実施
臨床心理士による心理検査の実施(2023.9現在、水・金に実施)
- STEP3心理検査の結果説明
心理検査実施から1ヶ月程で心理検査の結果説明を診察にて実施します。
心理検査の結果説明は医師が行います。検査を実施した臨床心理士による結果報告書を作成します。(6600円) - STEP4その後
必要に応じて診察を継続します。なおADHD(注意欠陥多動性障害)は薬物療法があります。ASDの方、ADHDの方、診断域でない方、どんな方にも役立つ薬物療法や精神療法があればご提案させて頂きます。
診断に関しての注意点
発達障害の診断は詳細な問診や心理検査等により丁寧に行っています。生育歴についてはご自身で把握されていないことが多く、すぐに確認できないことがあります。ご自身と周囲の方で困りごとが異なることもあります。そのため数回の診察や心理検査を経て診断を行うことが多いです。検査のみの希望は対応しておりません。継続的な診療が前提となります。
また「発達障害ではないか」との思いから受診をされた方にも診察の結果、発達障害ではなく他の疾患の可能性があると考える場合には他の治療について提案させていただくことがあります。
なお、当院で実施している心理検査はWAIS-Ⅳで成人の方を対象としております。心理検査の実施については希望者に必ず実施しているわけではありません。医学的に必要性を判断し実施しております。